古典ノススメ 書評

【書評】古典ノススメ:幸田露伴「幻談」

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幸田露伴

こんにちは岩田タクです。

今回は幸田露伴「幻談」の書評です。



岩波文庫に「斎藤茂吉に「このくらい洗練された日本語はない」と絶賛された「幻談」の語りは,まさに円熟しきった名人の芸というに値する」

と書いてあり、興味を持ちました。

 

ちなみに斎藤茂吉とは歌人であり、精神科医。

あの芥川龍之介が自殺する際の睡眠薬を処方したとも言われる人です。

 

そんな斎藤茂吉にここまで言わせる「幻談」とはどんな作品なのでしょうか?

 

ポイント1:流れるような文章

特徴はなんと言っても文章です。

一文一文が長いです。

三行くらいあったりします。

 

普通の小説ではここまで長い文章はあまり見ないのでは?

一般的には長い文章は読みづらく、避けるべきだと言われています。

 

ブログなどのいわゆるwebライティングでもそうです。

現代においては「短い文章」をよく見るのではないでしょうか?

 

しかし、「幻談」はその逆を行きます。

一文がとても長く、でも、読みやすいのです。

 

文節ごとのつなぎがうまく、また、単語の意味もそれほど分かりにくくはありません。

さらに文章全体のリズムも良く、するすると読むことができます。

 

そして長い一文を読み切るまでに複数の場面転換があったりして、それがこの作品の幻想的な雰囲気を作り出しています。

まるで万華鏡をのぞいているみたいです。

 

現代の「お堅い」文章になじんでいる人にこそこの作品を読んでほしい。

日本語というものの奥深さが分かるのではないでしょうか。

 

ポイント2:幻想的なストーリー

お話の内容としては「幻想」というジャンルになりましょうか。

論理的な展開はありませんが、”日常の中のちょっと不思議な感じ“を味わいたい方にはおすすめです。

さっぱりしたお話なので、ガッツリ系の方には物足りないかもしれません。

 

 

ポイント3:短くて読みやすい

作品はほんの19ページ(Kindle版)です。

するする読める文章と相まってすぐに読めます。

 

また、古典文学ですのでとても経済的

Kindle版なら0円ですし、図書館でも借りることができるでしょう。

 

もちろん文庫や全集もあります。

非常にとっつきやすい作品です。

 

まとめ

個人的には日本語は分かりにくい言語だと思っています。

 

曖昧な表現が多く、語句の順番としても、大事なことは最後に言います。

英語だと大事なことは初めに言うのでシンプルでわかりやすいですよね。

だから世界に受け入れられているのではないかと思っています。

 

でも、だからといって日本語がダメなわけではありません。

日本語は日本語で奥深くて、何重にも意味を重ねることができ、また、「言わずして言う」という訳の分からないことが可能です。

そんな日本語を見直す良いきっかけになる本ではないかと思います。

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