古典ノススメ 書評

古典ノススメ:「朱日記」泉鏡花 ~幽玄なる「朱」の物語~

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泉鏡花の朱日記""

古典ノススメ:「朱日記」泉鏡花

こんにちは岩田タクです。

今回から始まりました古典小説書評シリーズ「古典ノススメ」。

記念すべき(?)最初の作品

 

泉鏡花の「朱日記」でございます。

鏡花の怜悧な文体はもちろん、「赤」の色が美しい作品です。

 

私が持っているのは岩波文庫の「化鳥・三尺角 他六篇」。

その中に収められているわずか34ページの短編です。

泉鏡花の朱日記""

岩波文庫の他にも本は出ていますし、図書館で借りることもできると思います。

また、「青空文庫」や「kindle」などネット上では無料で読むことができます。

 

現在では古典文学のデータ化が進んでいて、お金を出さずとも読むことができます。

図書館のように期限を気にせず読めるというのも古典の特典ですね。

 

ちなみに私の持っている岩波文庫の場合は読みにくい漢字にルビがふってあったり、わかりにくい単語には巻末に意味が書いてあったりするので、理解しやすくて良いです。

ポイント1:旧仮名遣いで読みにくい!

 

私が泉鏡花を読んで一番最初に感じたことです。

でも、前回の記事でも書いたように、なんとなく読みすすめていけば、なんとなく情景が浮かんでくるはず。

別に気負ってすべての単語の意味を調べなくとも良いと思っています。

それよりも、泉鏡花の文体を感じて欲しい。

 

文章から想像する情景があまりに綺麗なんです。

意味はよくわからなくとも、まずはそれを感じ取って欲しい。

(無茶なことを言う)

 

それもまた「読む」ことだと思います。

 

ポイント2:朱い色が美しい

 

先にも書きましたが、やはりこれに尽きます。

文章から想像する情景が綺麗な泉鏡花の文体に加えてこの物語のいたるところに出てくる朱い色。

 

時間の流れはゆったりと流れながらも、クライマックスに向けての駆け上がりはまさに火の如し。

でもそれも凶暴というわけではなく、どこか優しさのある燃え盛り。

 

ストーリーとしては幻想物語なので整合性とか細かい設定とかを気にする方は正直向かないかもしれません。

あまり細かいことは気にせず、あるがままを読み進め、そして文章の中に沈む。

泉鏡花はそんな風にして読むといいかもしれません。

 

ちなみに中川学が絵を付けた「文藝繪草子」というものもあるようです。

こっちも素晴らしい!

出典:Kaori Aoki

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ポイント3:名言紹介

 

ここで物語の中で私が気に入った一部を紹介したいと思います。

(以下引用)

顔は覚えぬが、顎も額も赤いように思った。

(何方へ?)

と直ぐに聞いた。

ト竹を破る(わる)ような声で、

(城下を焼きに参るのじゃ。)と言う。ぬいと出て脚許(あしもと)へ、五つ六つの猿が届いた。

(引用終わり)

もちろんここだけ読んでも意味がわかりません。

でもなんとなく雰囲気は出ているのではないでしょうか?

話を読んでいくと、ここの場面がなかなかいい感じなんですよ。

 

まとめ

 

というわけで「朱日記」の紹介でした。

読みにくくはあるけれど、頑張って読み進めればその先には綺麗な風景が待っている。

 

日本語の奥深さを感じさせる。

そんな一篇です。

よろしければ是非。

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