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歴史的考察 教育勅語はなぜ「勅語」という形にしたのか?

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教育勅語はなぜ「勅語」?

こんにちは岩田タクです。

今回のテーマ、ちょっと分かりづらかったかもしれません。

言い換えると、「教育勅語はどうして「勅語」という形式にしたのか?」です。



まず、教育勅語とはなんでしょうか?

 

本来は「教育二関スル勅語」という名前です。

1890年に明治天皇の勅語として発布されました。

大日本帝国憲法ができて、「じゃあ、日本の教育の基本理念も形にしようか」ということで制作されました。

 

なんか長々とした法律なのかな?と思いきや、「教育二関スル勅語」はたった315文字しかありません。

しかも法律ですらありません。これが全文です。

(以下引用)

朕󠄁惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ德ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ敎育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ德器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン
斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ俱ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト俱ニ拳々服膺シテ咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ

明治二十三年十月三十日
御名御璽

(引用:wikipedia)

意味がわかりませんね。

現代語訳はこうです。

朕が思うに、我が御祖先の方々が国をお肇めになったことは極めて広遠であり、徳をお立てになったことは極めて深く厚くあらせられ、又、我が臣民はよく忠にはげみよく孝をつくし、国中のすべての者が皆心を一にして代々美風をつくりあげて来た。これは我が国柄の精髄であって、教育の基づくところもまた実にここにある。

 汝臣民は、父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲よくし、夫婦互に睦び合い、朋友互に信義を以って交わり、へりくだって気随気儘の振舞いをせず、人々に対して慈愛を及すようにし、学問を修め業務を習って知識才能を養い、善良有為の人物となり、進んで公共の利益を広め世のためになる仕事をおこし、常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵守し、万一危急の大事が起ったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家の為につくせ。かくして神勅のまにまに天地と共に窮りなき宝祚(あまつひつぎ)の御栄をたすけ奉れ。かようにすることは、ただに朕に対して忠良な臣民であるばかりでなく、それがとりもなおさず、汝らの祖先ののこした美風をはっきりあらわすことになる。

 ここに示した道は、実に我が御祖先のおのこしになった御訓であって、皇祖皇宗の子孫たる者及び臣民たる者が共々にしたがい守るべきところである。この道は古今を貫ぬいて永久に間違いがなく、又我が国はもとより外国でとり用いても正しい道である。朕は汝臣民と一緒にこの道を大切に守って、皆この道を体得実践することを切に望む。

(引用:wikipedia)

 

 

最近悪魔の経典のように敵視される教育勅語ですが、その実態は「親を敬いなさい」とか、「学問を修めて全長な人になりなさい」とか、「友達を大事にしなさい」とか、そんな当たり前のことが書いてあります。

全然悪いものではありません。

むしろ良いものです。

教育勅語を悪く言うのは全くの的はずれであり、そう言う人は単に政治的な活動の一環として言っているだけなんですね。

 

(「一身を捧げて皇室国家の為につくせ」という部分が気になるのかもしれませんが、当時の時代背景を鑑みればおかしいものではありません。現在の価値観で歴史を見るのは要注意です

なぜ「勅語」という形で発布されたのか?

 

「勅語」とは「天皇陛下のお言葉」という意味の最上敬語です(詳しくは『皇族の方々に対する敬語』をご覧下さい)。

なので、教育勅語は「日本の教育に関しての天皇陛下からのお言葉」という意味です。

 

もし、上に書いてあるようなことが法律や憲法だったらどうでしょう。

「親を敬いなさい」とか、「学問を修めて全長な人になりなさい」とか、「友達を大事にしなさい」とか、そういう憲法は一見良いように思えます。

しかし、それは違います。

 

世の中には親と仲良くできない子供もいます。

どうしても学問が出来ない子もいます。

友達だって嫌いになることもあります。

 

「日本の教育の基本理念」の内容を法律や憲法にしてしまうと、それが法的な力を持ってしまいます。

「親と仲良くできない子供」、「学問が出来ない子」、「友達だって嫌いになる」のは法律違反になってしまいます。

こんな窮屈な世の中は嫌ですね。

 

だから「天皇陛下からのお言葉」として、「法律ではないけれども、天皇陛下がおっしゃることだからみんな極力そうしようね」というニュアンスをもたせたのです。

 

もし、日本が大統領制だったらこんなことできません。

『④「しらす」と「うしはく」ってどんな意味?』でも書いたとおり、国を治める天皇と政治的に治める総理大臣が分かれているからこそ出来たことなのです。

「法的な力はないけれど、天皇陛下が言うんだからその通りにしなくちゃね」という微妙な強制力。

そしてその内容は至極真っ当な「道徳の教科書」。

過去の日本はこの「教育二関スル勅語」で国民の道徳の育成を図ったのです。

 

ちなみに現在教育勅語が教えられていないのは戦後GHQがそれを禁止したからです。

理由は「天皇陛下によって道徳が教えられるのが気に入らない。国民と天皇のつながりを断ちたい」からです。

教育勅語は悪いものではありません。

こんな時代だからこそもう一度「古きを温め」て教育勅語を読んでみてはいかがでしょう。

 

 

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