国防 書評

【書評】自衛隊幻想~拉致問題から考える安全保障と憲法改正~

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自衛隊幻想の書評""

こんにちは岩田タクです。

今日はこの本を紹介したいと思います。

『自衛隊幻想~拉致問題から考える安全保障と憲法改正~』

少々ショッキングな題名です。



この題名の通り、これは拉致事件を鑑みて、現在の自衛隊の問題点をあぶりだした本です。

しかし、もちろん否定ばかりする左翼本ではありません。

現在の状況を冷静に分析した上で自衛隊、または現在の日本国憲法に対しての問題定期をしています。

 

平成28年10月15日発行で、世界情勢が日進月歩の状況では若干古い本になると思います。

しかし、内容は非常に厚い!

新聞やニュースではまず報道されないディープな内容がぎっしりと詰まっています。

 

ポイント① まず著者がすごい

 

この本の著者は三人いて、その三人の対談形式になっています。

 

荒木和博:

特定失踪者問題調査会代表。拓殖大学、慶應義塾大学に勤務する傍ら「韓国語」の技能で「技能予備自衛官」になる。予備役ブルーリボンの会代表。

 

荒谷卓:

陸上自衛隊「特殊作戦群」初代群長。現在は明治神宮武道場「至誠館」館長。

 

伊東祐靖:

元イージス艦「みょうこう」航海長。その後海上自衛隊「特殊部隊」初代先任小隊長。現在は退官し警備会社などへのアドバイザーとして活動。

 

自衛隊の問題点を書いた本なのでてっきり学者さんが書いたのかと思いきや、3人中2人はもともと自衛官。

しかも特殊作戦群の群長やイージス艦の航海長です。

こんな人たちだから語れる自衛隊の問題点とは?

もう説得力抜群です。

ポイント② 拉致問題への向き合い方が熱い

 

著者の一人、伊藤祐靖さんは「みょうこう」の航海長だった1999年、能登半島沖に現れた北朝鮮の不審船の追尾をしました。

その時の体験も詳しく書かれています(以下一部抜粋)。

 

~北朝鮮の不審船は日本海のど真ん中で停止しました。そのとき、「立ち入り検査」という話が出た。(略)当時の船には防弾チョッキがなかったので、少年マガジンなど分厚い雑誌を体に巻きつけてその代わりにしていた~

なんて激しい話でしょう。

こんなことが実際に起きていたのです。

しかし、この実態を知っている人がどれほどいるでしょうか?

 

現在の自衛官はこれほど危険な状況に置かれているのです。

その上で問題点をあぶりだし、伊藤氏が直に体験したことも含めて拉致問題にどう向き合い、これを解決するか。

強烈な体験をした著者だからこそ、また、自衛隊という組織に精通した著者達だからこそ語れる話が詰まっています。

 

ポイント③ 拉致被害者救出のシミュレーションをしている

 

この本には現在の法律の元拉致被害者を救出するためのシミュレーションが書かれています。

しかも元自衛隊員がするシミュレーションです。

 

テレビニュースで言われたり、へたなネット動画で見るものとは訳が違います。

陸海空自衛隊の力を総合的に使い、

艦隊の出発日時はどうするか?投入する特殊作戦群は何人か?

さらに北朝鮮での被害者誘導はどうするか?

など、細かいところまで書いてあります。

ここまで綿密なシミュレーションは見たことがありません。

本気で考えるとはこういうことかと思わされます。

まとめ

 

今回紹介した『自衛隊幻想~拉致問題から考える安全保障と憲法改正~』には上記に書いた拉致問題のことを中心に、憲法改正論議に発展していきます。

実質的な条文の分析に加えて、現在の国民の抱えるどうしようもない平和ボケ、つまりは心構えについても書いてあります。

 

この精神論についても、元自衛官の意見はガツンとパンチが効いていて、読んでいてはっと目が覚めるような思いになります。

拉致被害者のことを真面目に考えるにあたって、この本は実にスパイシーで、でも避けては通れぬ道をしっかりと示してくれます。

是非ご一読を。

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